対談:音楽情報メディアって読んでますか? 2014年版

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(追記:本記事への反響を受けての「後日談」あり。ぜひご覧ください)
 
SNSによってみんながWEB上でつながった今、そのSNSで話す話題を提供する「メディア」や、それをつくる「編集者」という職業が注目を集めています。紙媒体の衰退とともに数々の音楽雑誌が廃刊、ニュースサイト「ナタリー」が影響力を強め、ロッキング・オンはイベント会社化し、「新しい音楽を知るきっかけはYouTube」と声高に叫ばれる2014年、リスナーたちはどのように音楽情報を仕入れ、音楽メディアに接しているのでしょうか? この対談では、ほんっとうに極端な例かもしれませんが、AMP編集部の照沼と野地の「2014年の俺リアル」をお伝えします。音楽談義のタネにしてもらえれば幸いです。(照沼健太)

 

音楽に関する情報、どう仕入れてる?

照沼:WEBでも紙でも、音楽情報メディアって読んだりする?

野地:WEBはちょいちょい。紙はもう一切読まなくなりました。そもそも書店に置いてなかったりするし。

照沼:雑誌コーナーに「音楽」無いもんね、もう。WEBだとピッチフォークとか?

野地:そうですね、有名どころの。あとはメディアじゃないけどDiscogs(アメリカの音楽データベースサイト。アーティストやレーベルごとにディスコグラフィーが網羅され、リスナー同士での売買が可能なプラットフォームにもなっている)。

照沼:俺はピッチフォークとNME。NMEは去年の後半からリニューアルして良くなったから、iPadで年間購読してる。日本のはサインマガジンかな。でも、昔は音楽情報を仕入れるのって雑誌やWEBメディアだったけど、今はもうレコード屋で情報仕入れることの方が多くなったな。

野地:そうなんですよ。レコード屋が一番メディアっぽい。「あ、こいつら出したんだ」とか店で気付くこともあるし。

 

極論!? フィジカルリリース VS 配信限定

照沼:レコード屋で情報を仕入れていると、フィジカル(CDやレコード等の物理的メディア)でリリースしてないアーティストは全然知らなかったりする(笑)Hi-Hi-Whoopee(当初メディア名の記載に誤りがありました。訂正してお詫び申し上げます)あたりの音楽ブログは情報量すごいし、自分にはアレは作れないと思うしリスペクトするけど、正直あまり読むことができない(笑)というのも、自分としては、フィジカルで出ているということが「遊びでやってるわけじゃないんだな」という判断材料になってる気がする。無意識的に。(注:もちろん音楽ブログだって、無料DLや配信限定だけでなく、フィジカルでリリースしている作品やアーティストも扱っていますよ)

野地:分かります。僕はレコード屋に通うこともレコードを買うことも大好きだし、極端な話、音楽はそれのおまけ。……ってのは、さすがに言い過ぎだけど、それくらいの気持ちで聴いています。フィジカルで出すかどうかって、やっぱり本気かどうか、とも言える気がするんですよね。

照沼:リスク負ってるからね。その曲をリリースすることに対して。

野地:「配信限定」って、その時点で少なくとも気合いで負けてるから。

 

「共通の話題」と「異物感」をつくるのがメディアの役目?

照沼:俺はレコード屋通いしてるわりには、「音が聴ければOK」的なところがあるんだけど、それでもフィジカルで出てるかどうかは絶対重要。無料ダウンロードって言われると逆に聴かない(笑)

野地:うんうん。

照沼:「金使ってフィジカルで出す気合い」と「金出して買う気合い」がぶつかってる方が健全だと思う。だから、音楽メディアの編集長としては問題発言かもしれないけど、完全に個人的なところでは「レコード屋がたくさんあればメディアはいらない」くらいの気持ちもあるんだよね。

野地:分かります。

照沼:でも、やっぱりそれだとダメで。そのすべての店のレコメンドが挑戦的じゃないと、みんなが自分の趣味に閉じこもっちゃう。だから、色んな連中を煽って、騙して、新しい音楽を聞かせる。そんなメディアが必要だと思ってる。

野地:煽り役ですね。僕らもこれまで散々煽られて、無理して新しい音楽を聴いてきた側の人間ですからね(笑)

照沼:BIG LOVE(原宿のレコード屋)で「ほうほう、ALBUM OF THE WEEKを買ってみるか→全然良くないじゃん…→だんだん良さ分かってきたかも→最高!」みたいなね(笑)メディアではスヌーザーがその位置にいたはずなんだけど、もう無いからな。

野地:そう。半ば洗脳ですよ!

照沼:スヌーザーが無くなって、いわゆるインディーとか洋楽ロック界隈は共通の話題を持ちにくくなった。もちろんレコード屋に通ってるようなコアな人たちの間では「今度出るCommunionsはヤバい…!」みたいなのはあるんだけど。でも、Twitterとかで「スヌーザー最新号の特集が云々」みたいな話をすることでつながっていた音楽クラスタって、やっぱり細かい趣味はバラバラだから、今はもう共通の話題がフェスくらいしかなかったりする。それはやっぱ寂しい。

野地:立ち位置的にも本当に貴重な存在でしたよね。僕なんかスヌーザーが廃刊して数ヶ月は「どうやって新しい音楽聴こう?」って悩んでたくらい。

照沼:やっぱある程度は「みんなで聴く」みたいな感じがあった方が楽しいよね。とはいえ、(英語が読めないから)ピッチフォークの点数だけ見て聴く音楽を選ぶってのも、情報量が不足しすぎてる。だから、このAMPもできるだけ多くの「共通の話題」を作れるようにしたいな。

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