スタッフリスト:2014年ベストアルバム&トラック

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浮かび上がる「2014年の裏ベスト」と「2015年の予感」

AMPの2014年年間ベストアルバム50はお楽しみいただけたでしょうか? 続いてお届けするのは「各ライターによる年間ベストアルバムと年間ベストトラック」です。それぞれ独自のコンセプトを立てたりと工夫をしながら選んだ「マイベスト」を是非楽しんでいただければと思います。ベストアルバムには談合でもあったかのごとき頻出レコードも多く「2014年の裏ベスト」が顔を覗かせているかのよう。そしてベストトラックからは2015年が顔を覗かせている…!? 各ディスクとトラックには、ストア/試聴リンクを設定していますので、この年末年始にぜひチェックしてみてください。


1. 天野龍太郎


2014 BEST ALBUMS
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1. D’Angelo & The Vanguard – Black Messiah
2. Arca – Xen
3. Giant Claw – DARK WEB
4. Iceage – Plowng Into The Field Of Love
5. Lower – Seek Warmer Climes
6. Aphex Twin – Syro
7. ミツメ – ささやき
8. D/P/I – MN.ROY
9. FKA twigs – LP1
10. Dean Blunt – Black Metal

個人的なフェイヴァリット10作を選ぼうとするとどうしても選べなかったので、ちょっと補助線を足したらすんなりと選べました。ここに挙げた10枚は「AMPを読んでいるティーンエイジャーのきみに聞いてほしい10枚」です。ここで「ティーンエイジャー」という言葉が指しているのはもちろん実際に輝かしき(あるいはどうしようもない)10代を過ごすきみたちのことですが、成人した方でもその感受性や思考がじぶんと異なるなにかへの好奇心へと常にすでに開かれていれば、それだけで「ティーンエイジャー」の資格を持っているとここでぼくが保証しましょう(反対に偏狭な心性を無自覚に振り回すひとはたとえ若くても――あくまでも比喩的な意味で――「老人」と言えます)! 

ともかくこれがティーンエイジャーに捧げる2014年のアクチュアルなレコードです(さらに王舟の『Wang』、18+の『Trust』、Dirty Beachesの『Stateless』、Infuse Huddleの謎のデビューLP、Fatima Al Qadiriの『Asiatisch』、Vince StaplesのEP『Hell Can Wait』、そしてYGの『My Krazy Life』を加えてこのリストは完成とします)。それにしてもこの10枚、どこか孤独な翳りがあるように思えます。(天野龍太郎)

2014 BEST TRACKS
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1. Spoon – Do You
2. Vince Staples – Blue Suede
3. AKB48 – 心のプラカード
4. Communions – So Long Run
5. ayU Tokio – 恋する団地
6. 森は生きている – 煙夜の夢
7. ▉▉▒▒█▎l▓░▉CHLORINE – $$$10,000$$$ ⒸⱯ$H IN HⱯND
8. Bok Bok Feat. Kelela – Melba’s Call
9. Kendrick Lamar – i
10. FKA x inc. – FKA x inc.

上半期のフェイヴァリットに選んでいないものを10曲。とはいえ、それほどシングルを買わない怠惰な音楽ファンであり、曲単位であまり聞かないのでなかなか難しく、あえて選ぶとこんな感じです。ロング・ビーチの厳しい現実をサヴァイヴするVince Staplesの日常が語られる“Blue Suede”、素晴らしいです。4位のCommunions、もし彼らがアルバムを出したらその年のベストは決まったも同然。3位は恋。7位は完全に趣味です。(天野龍太郎)


2. 石動丸倫彦


2014 BEST ALBUMS
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1. Iceage – Plowing Into The Field Of Love
2. Amen Dunes – Love
3. Total Control – Typical System
4. Merely – Nirvana
5. Lust For Youth – International
6. Torn Hawk – Let’s Cry And Do Pushups At The Same Time
7. YOU. – Sunchaser
8. Kevin Morby – Still Life
9. Copeland – Because I’m Worth It.
10. Daniel Bachman – Orange County Serenade

今年のベスト、ということで「捻りが効きつつフックのあるラインナップを、、、!」等と意気込んではみたものの、結局手堅いメンツが勢揃いという感じになってしまった。2014年はどうしても外せないレコードが10枚以上もある豊作の年だったからだ。こうして見てみると何年かブレずに活動して来たアーティストの第一到達点のようなアルバムが多いように思う。

1位のアイスエイジはいうまでもなく素晴らしく成熟されてて、アルバムを聴き進めていくうちに酒に酔ったような感覚になるほどすごかった。意外だったのは2位のAmen Dunesで、上半期チャート10位から2位に来るくらいの出来の良さ。今年のMVPだろう。こんなにも音楽とアートが自然に融合して現代的に落とし込まれたものが今まであったのだろうかと驚かされたし、飽きずに何回も聴いた。Torn Hawkも近い物があるのではないだろうか。あとはTotal ControlのMikeyYoungの仕事量とそのクオリティーにただただ尊敬。そしてMerelyの輝きもずば抜けていた。他のアルバムも順不同で最高だったので、まだの方には是非聴いて欲しいです。10位のDaniel Bachmanは「他のも聴いてるよ」というちょっとした悪あがきです。聴きにくさと、見た目が最高だったので。聴いた数でいうと2位くらいだったかも。1人で愛するアルバムも年に2、3枚くらいあるとより楽しめると思う。(石動丸倫彦)

2014 BEST TRACKS
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1. Anthony Naples – Perro
2. Design A Wave – Pentatonic Skull
3. Mischa Pavlovski – Untitled
4. Lace Curtain – I Can’t Wait
5. Lightning Glove – Brave New World
6. Viet Cong – Oxygen Feed
7. The Fat White Family – I Am Mark E Smith
8. Champions League – Ebiza
9. Age Coin – Hard Knit
10. SOAK. – B a noBody

今年はシングルの方が選ぶ人の個性がより出るかなと思い、好きな物を気軽に選びました。UKのSOAK.とThe Fat White Familyがとくに印象深かった。今年は実はシングルはとても少なかったので、来年からまた徐々に増えていくのではないかと思っています。(石動丸倫彦)


3. 照沼健太


2014 BEST ALBUMS
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1. D’Angelo & The Vanguard – Black Messiah
2. F.E. Denning – Cities Of Light
3. FKA twigs – LP1
4. Iceage – Plowing into the Field of Love
5. Nicholas Krgovich – On Sunset
6. Lower – Seek Warmer Climes
7. Torn Hawk – Let’s Cry And Do Pushups At The Same Time
8. Lust For Youth – International
9. BABYMETAL – BABYMETAL
10. Taylor Swift – 1989

ここ数年、メディアも個人も年間ベストの発表が早すぎませんか? 「まだアレがリリースされてないのに!」と毎年ビックリして焦ってしまうのですが、今年は特に早かったような…。そんななか年末サプライズだったディアンジェロ新作がベストでした。レコードとハイレゾで聴くのが楽しみです。BABYMETALもアナログ盤でのリリースを渇望。ロウワー、ラスト・フォー・ユースは上半期より今のほうが輝いていて、FKAツイッグスはアルカ『ゼン』リリース後に魅力を増した感じがあります。裏カインドネスとも言うべき5位のNicholas Krgovichは、全楽器が自分一人だけのために鳴らされているような親密なプロダクションも魅力。今年は意識的にポップな音楽をたくさん聴いていたけれども、来年はもっと振れ幅を広げようと考えています。(照沼健太)

2014 BEST TRACKS
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1. Iceage – The Lord’s Favorite
2. Iceage – Forever
3. Christopher Owens – Nothing More Than Everything To Me
4. Nicki Minaj – Bed Of Lies Ft. Skylar Grey
5. Communions – Love Stands Still
6. Lust For Youth – Illume
7. Future Islands – Seasons (Waiting On You)
8. Flying Lotus – Never Catch Me ft. Kendrick Lamar
9. Chris Brown – Loyal (Explicit) ft. Lil Wayne, Tyga
10. Derrick Knight – Mayan Rain Dance

今年は“積みレコード”を大量に残してしまいました。特に7インチレコードは聴けていないものが50枚はあるような…。でもアイスエイジには「アルバムの前にシングル出せよ!」と言いたいくらいです。シングル is 重要。例年1月はリリースが少なめなので、積みレコを早めに消化しておこうと思ってはいるのですが、各メディア/ブログが発表した年間ベストもチェックしたいし、中古レコード屋も回りたいしで、2015年は最初から音楽迷子状態になりそう。まずはピッチフォーク、ファクト、サインマガジン、BIG LOVE仲さん(ZINE)、Dirty DIrt、Wasabi Tapesあたりの年間ベストを追いかけようと思います。(照沼健太)


4. 野地祥平


2014 BEST ALBUMS
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1. Mischa Pavlovski – Kapitel
2. Shocking Pinks – Guilt Mirrors
3. Iceage – Plowng Into The Field Of Love
4. Kevin Morby – Still Life
5. YOU. – Sunchaser
6. Lower – Seek Warmer Climes
7. Torn Hawk – Let’s Cry And Do Pushups At The Same Time
8. Merely – Nirvana
9. Low Life – Dogging
10. Some Ember – Some Ember

あまりにもベストすぎる2014年。Mischa PavlovskiのミニマリズムにPosh Isolationの「次」を感じ、Shocking Pinksの孤独な祈りと喪失に涙した。Iceageの覚醒に胸ぐらを掴まれ、Kevin Morbyの着たシャッツ〜にメロメロ(彼はどこを見つめているの!?)。今年も気合いで買いまくったけど、まだまだ足りないし追いつけない。そう、ここは東京だし、2015年はもっと現場主義的に生きようと思う。今はとにかくHank Woodのライヴが観たい!(野地祥平)

2014 BEST TRACKS
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1. Hand of Dust – Walk in White
2. Blue Krishna – Mayflower Spring
3. Lust for Youth – Running
4. Total Control – Flesh War
5. Hank Wood and the Hammerheads – Fatigue
6. Forza Albino – Bareback Violence/HIV Provider
7. Lowell – The Bells
8. Marching Church – Hungry for Love
9. Communions – So Long Sun
10. Future Islands – Seasons

さらに風格を増したHand of Dust(fromコペンハーゲン)。Avant!がちゃんとしたMVを作るなんて初めてじゃないかしら。Blue KrishnaはBody of Light(次なるLFY、要注目)の片割れ。メインでAscetic Houseからリリースしたカセットもよかったけど、こちらの方がより素直なポップ。Future Islandsはレコードにもあの「胸を叩く音」が入っていればなー。そして改めて感じた、BIG LOVE MUSIC TVの影響力。レコード屋で会いましょう。(野地祥平)


5. 山下優


2014 BEST ALBUMS
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Hank Wood And The Hammerheads ‎– Stay Home
Infuse Huddle – Infuse Huddle
Total Control – Typical System
Iceage – Plowing Into The Field Of Love
Lower – Seek Warmer Climes
Merely ‎– Nirvana
Lust For Youth – International
Torn Hawk – Let’s Cry And Do Pushups At The Same Time
Rat Columns ‎– Leaf
YOU. – Sunchaser

今年はコペンハーゲン勢によるLAでの13 Torches For a Burn、 Hank Wood And The Hammerheadsを中心としたNYハードコアシーンの盛り上がり(結局会場の時間切れでできなかったけれどもHank Wood〜がメインのライブに来ている人の多さ、日曜昼間のTompkins Square Parkでのライブ)を目の当たりにしてこの結果に。どうしてもコペンハーゲン勢が多くなって「普通」というか「思考停止状態なのではないか」と迷って、入れないでベストを作ってはみたものの何かしっくりこない。それだけを買ってそれだけを聴いていたらダサいけどそういうわけではない。と誰に向かって言い訳しているのかわからないけど、前に進むための今年のベスト。(山下優)

2014 BEST TRACKS
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Communions – Love Stands Still
Infuse Huddle – No Face / No Trust
Hank Wood And The Hammerheads – In Space
Anasazi – Rest In Piss
Institute ‎– Giddy Boys
Total Control – Flesh War
Yunng ‎– Creeps
Seksulle Mennesker ‎– Kærester
Design A Wave ‎– Cerebellum
Soak ‎– Shovels

なるべくベストアルバム以外から。と思ったけど、Infuse HuddleとHank Wood And The Hammerheadsは最高過ぎでした。最高なんだけどすんなり入ってこないところが最高です。コペンハーゲン勢の新世代もまた素晴らしい。コペンハーゲンはせまいと聞くけど、底知れぬ深さと新しさを感じる。今年はLPが多い印象だったけど意外と7インチを買っていたことに選ぶときに気づく。個人的な印象では新しいものが始まる変わり目に7インチが増えると思っているので、またここから始まる予感がして楽しみです。(山下優)


6. 吉田源


2014 BEST ALBUMS
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1. Torn Hawk – Let’s Cry And Do Pushups At The Same Time
2. Marshstepper – A New Sacrament of Penance
3. Kevin Morby – Still Life
4. Lust For Youth – International
5. Tonstartssbandht – Overseas
6. Antwon – Heavy Hearted in Doldrums
7. White Void – We’re Falling
8. Pure X – Angel
9. Fejhd – Fejhed
10. Traag – UPN 500

リストを作るべく棚を見たら、なぜ買ったのかわからないものが多いうえ、買い逃したものの多さにも気が付きました。アメリカ的な「男泣き」のTorn Hawkは2㎏の重量盤か、墓石に彫って手元に置きたいです(LP買って聴いたあと前髪を上げるようにしました)。TobstartssbandhtやKevin Morby、White Voidも何となく同じ感触がして好き。Traag/SiobhanとかMarshstepperはスタンスを含めて僕が今聴きたい音そのままで、来年も期待しています。Antwonはいろんなシーンでよく目にするし、iPodの再生回数トップでした。Pure Xは疲れたときに。Delroy EdwardsのSlowed Down Funkシリーズもよかったです。(吉田源)

2014 BEST TRACKS
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Foxygen – Coulda Been My Love
Burial Hex – Final Love
Gem Jones – Ectomorphic Love
Dignan Porch – Swing By
Communions – Love Stands Still

Gila Man – The Leopard
Hank Wood and the Hammerheads – I Thought I Was a Good Man
Cheena – My Hands Are Shakin’
Beatrice Dillon – Halfway
Run Dust – Jazz Can

あまり外で音楽を聴かなくなったのですが、上の5曲が外でしんみりする用、下が夜に部屋で盛り上がる用ベストです。7インチのリリースが多くない気がして寂しいので、例えばTTTとかLACR、BHの12インチを買って紛らわそうとしました。ところで、最近ネット上で音楽的な議論というか諍いを目にしますが、好きなものを独りで、友達と、いるなら恋人と、踊るなり文字にするなり好きなように穏やかに聴けばいいと思います。個人的に2014年は生活が変わったりささやかな考えが纏まったりしはじめた「一年目」なのでいまから来年が楽しみです。(吉田源)

2014年ベストアルバム 50〜41位
2014年ベストアルバム 40〜31位
2014年ベストアルバム 30〜21位
2014年ベストアルバム 20〜11位
2014年ベストアルバム 10〜1位

AMP STAFF

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