デヴィッド・ボウイのベストソング10 by 久保憲司

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モッズ〜グラムロック〜パンク、ニューウェーブ、そしてアートやファッションとポップミュージックをつなぐレジェンド的なロックスター。美しいルックスと音楽的冒険心、アイスエイジのエリアスもリスペクトするボーカル&ソングライティング能力によって、常にリアルタイムのアーティストとして評価されるデヴィッド・ボウイをテーマに、フォトグラファー久保憲司氏が10曲をセレクトしてくれました。メランコリックな上位曲から、最後にはあのミュージシャンのカバーも登場するランキングをどうぞお楽しみください。(編集部)

1. Life On Mars




デヴィッド・ボウイの曲でどれを一番にするか悩みましたが、ミステリアスなボウイの歌詞の頂点はこの曲だろうと選びました。

ディリー・テレグラフのニール・マコーミックも偉大な100曲のNo.1にあげていたので「俺の感覚間違えてないかも」と安心しました。乙女に受けそうな、メロディ、曲の感じもいいですね。今の乙女にこれが受けるのか、ちょっと疑問ですが、歌詞の感じは今のセレブに夢中な少女たちを夢中にする歌詞なんですけどね。決して火星の出来事の話ではありません。小さな町に住み、成功を夢見る女の子の話。元々はフランク・シナトラのあの曲のコンペに使った曲、そう「マイ・ウェイ」ですよ。ボウイ・バージョンは却下され、ポール・アンカのが採用されました。下地が「マイ・ウェイ」(Commed’Havitude)ですよ。悪いわけがない。




2. Stay




メランコリックな曲を一位にしたので次もメランコリックな曲を。曲調はファンクなんですけど、切なくなりますね。何を歌っているのか、調べてないんですが「ステイ(居てくれ)」と懇願している感じがしますね。ボウイに居てくれなんて言われたら、ウルっと来てしまいますね。むちゃくちゃかっこいいファンクなギターも最高です。




3. Be My Wife




次もメランコリックで行きますか。エレクトロですけど、こちらも切ないですね。ボウイが「俺の嫁さんになってくれないか」とさだまさししているだけなんですが、すごい歌になっている所が「ボウイ天才」という感じですね。ベルリン3部作からの名曲。




4. Heroes




ボウイのメランコリックな代表曲といえば、これでしょう。イーノとボウイが作った最高のロック・バラードであり、ポップ・ソングであり、メッセージソングです。ようするに「すごい」という曲です。壁が崩壊する前のベルリンで、二人の男女がキスをする光景、そして、誰もがヒーローになれるのだと歌う。キスをしているのはプロデューサーのトニー・ビスコンティなんですよね。ボウイがこの歌詞を書いている時、窓の外で、トニー・ビスコンティが不倫相手の彼女と切なくキスをしているのを見て、これだと、書き加えたのです。




5. Teenage Wildlife




若者へ(ファン)の彼の気持ちを切なく歌った歌と言えば「すべての若き野郎ども」がありますが、ぼくには80年代の若者たちへの思いを歌ったこの曲をあげます。この歌、歌詞読みながらきいていると「アニキ」って、涙流しながら、ボウイに抱きつきたくなります。




6. Space Oddity




『インターステラー』『ゼロ・グラヴィティ』での宇宙での孤独感を、みんながSF万歳って言っていたときにもう描いていたボウイは本当によく分かっているなと思います。




7. Ashes To Ashes




宇宙に放り出され孤独に彷徨う「スペイス・オディティ」のトム少佐はボウイが一番最初に作った素晴らしいキャラクターだが、ボウイは10年後、そのトム少佐は宇宙船の中に持ち込んだドラッグでジャンキーになっていると歌う。まさに自分を葬りさるかのような曲が哀愁を誘う。PVではパンクも終わり、ニュー・ロマンティックがロンドンの話題となり、これから世界的ブームになる前夜、ボウイは彼らを使い、自分の葬式を行っているかのようなPVを作った。天才でしょう。かっこよすぎだ。




8. Lady Grinning Soul




ボウイの曲の中で一番切ない曲じゃないでしょうか? アメリカからイギリスに帰る船の中で書かれた曲。昔はボウイ旅行するときは飛行機に乗らず、船だったんですよね。そんな風に自分を演出しているアーティストが今いますか? 日本に来たときは、シベリア鉄道で来たんですよ。憧れました。




9. Rock’n Roll Suicide




僕の一番好きな切ない曲と言えばこれ、何のこと歌っているのか、全然分かんないんですけど。でも、ボウイは歌ってます。「君は一人じゃない」「手を差し伸べてくれ」って、ウワッーって感じです。




10. Suffragette City




メランコリックな曲ばかりだったので、最後ボウイの最高のロックンロール・ナンバーを。ほとんどパンクです。ザ・ストゥジーズやヴェルヴェッド・アンダーグランドみたいな曲を作ろうとして作った曲だから当たり前か。「サフラゲット・シティ」…訳すと「女性参政権の街」。民主主義の街に戻って来てしまったぜという歌でしょうか? ボウイは全体主義への憧れがありますからね。全体主義というのは言い過ぎですか。「みんな好き勝手にやったらいいだろう。でも、うまくいかなかったね、やっぱり民主主義の世界に戻ってきちゃったね」という歌なんでしょうね。




おまけ. It’s Hard To Be A Saint In The City




もう一曲ボウイの最高のロックンロール・ナンバーを ブルース・スプリングスティーンのカヴァーです。ブルース・スプリングスティーンが売れる前にいち早く目をつけていたのもボウイです。センス良いんですよ。



(久保憲司)

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久保憲司

カメラマン&ライター。「ダンス・ドラッグ・ロックンロール ~誰も知らなかった音楽史~」発売中。なんとNO2も出ました。「ザ・ストーン・ローゼズ ロックを変えた1枚のアルバム」 電子書籍「ロックの闘争」お仕事の依頼はkenji.kubo@m6.dion.ne.jpまで。

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